Windows 11でVALORANTをプレイ中に、フリーズが発生してお困りではありませんか。
突然ゲームが起動しない、あるいは起動画面フリーズで止まってしまう。
プレイ中にPC固まる現象や、画面は止まってもフリーズ マウスは動くといった不可解な症状に見舞われることもあります。
ゲームがクラッシュし、最悪の場合は強制終了もできずPCを落とせない状態になることも。
これらの問題の原因は多岐にわたり、VAN9003エラーやセキュアブートの設定が関係している場合もあります。
この記事では、これらの問題を解決するための具体的な対処法を詳しく解説します。
ポイント
- Windows 11環境でVALORANTがフリーズする主な原因
- 起動しない・クラッシュするなど症状別の確認点
- VAN9003エラーとセキュアブートの関連性
- 今すぐ試せる具体的なフリーズ対処法
valorant windows 11 フリーズの症状と原因
- valorantが起動しない問題
- 起動画面フリーズの発生
- プレイ中にPC固まる現象
- フリーズしてもマウスは動く
- ゲームがクラッシュする原因
valorantが起動しない問題
VALORANTが起動しない、またはRiot Gamesのロゴが表示された直後に終了してしまう場合、いくつかの原因が考えられます。
最も一般的なのは、VALORANTのアンチチートシステムである「Vanguard」が正常に動作していないケースです。VanguardはOSの起動と同時に実行される必要があり、何らかの理由でブロックされているとゲームを開始できません。
また、後述するWindows 11特有のセキュリティ要件(セキュアブートやTPM 2.0)を満たしていない場合、VAN9003といったエラーコードが表示され、起動が妨げられることもあります。まずはPCを再起動し、Vanguardが正しく読み込まれるか確認してみてください。
起動画面フリーズの発生
ゲームは起動するものの、ロード画面やエージェント選択画面などでフリーズ(静止)してしまう症状です。この場合、ゲームの音声だけは再生され続けることもあります。
原因としては、ゲームファイルの破損が疑われます。アップデートの適用に失敗したり、PCが不安定な状態で終了したりすると、ファイルが壊れて正常に読み込めなくなることがあります。
Riot ClientからVALORANTの「修復」機能を実行することで、破損したファイルが自動的に検出・修正される可能性があります。
プレイ中にPC固まる現象
最も深刻な症状の一つが、ゲームプレイの最中にPC全体が応答しなくなる現象です。この状態になると、キーボードやマウスの操作を一切受け付けず、Ctrl+Alt+Deleteキーによるタスクマネージャーの呼び出しもできなくなります。
この「PC固まる」現象は、多くの場合、グラフィックドライバとWindows 11の特定の機能が衝突していることが原因とされています。特に「ハードウェア アクセラレータによるGPUスケジューリング」機能が、VALORANTとの相性問題を引き起こすケースが多数報告されています。
その他、PC内部の熱暴走(特にCPUやGPUの温度上昇)が原因で、システムの保護機能が働いてフリーズすることもあります。
PCの強制終了について
PCが完全に固まってしまった場合、電源ボタンを10秒程度長押しして強制的にシャットダウンするしかありません。ただし、この操作はPCやストレージに負荷をかけるため、データ破損のリスクが伴います。多用は避け、根本的な原因解決を優先してください。
フリーズしてもマウスは動く
ゲーム画面は完全に静止しているにもかかわらず、マウスカーソルだけは自由に動かせるという、比較的珍しい症状もあります。
これは、ゲームのプロセス(VALORANT.exe)は応答を停止しているものの、WindowsのOS自体はまだかろうじて動作している状態を示唆しています。
この症状の場合、Alt+Tabキーでのウィンドウ切り替えや、Ctrl+Shift+Escキーによるタスクマネージャーの直接起動が成功する可能性があります。タスクマネージャーからVALORANTのプロセスを終了できれば、PCを再起動せずに復帰できるかもしれません。
原因としては、フルスクリーンモードとウィンドウモードの切り替えや、他のアプリケーションの通知(ポップアップ)が引き金になることが多いようです。
ゲームがクラッシュする原因
「フリーズ(固まる)」とは異なり、「クラッシュ(落ちる)」は、ゲームがエラーメッセージを表示する、あるいは何の前触れもなくデスクトップ画面に戻ってしまう現象を指します。
この原因としてよく挙げられるのが、メモリのオーバークロック(OC)設定です。XMPやEXPOなどでメモリを定格以上のクロックで動作させている場合、その設定が不安定だとVALORANTのような特定の高負荷ゲームでのみクラッシュを引き起こすことがあります。
また、Discordのオーバーレイ機能、録画ソフト(OBS, ShadowPlayなど)、その他PCのパフォーマンスを監視するツールがVanguardと競合し、クラッシュの原因となることもあります。
イベントビューアーの活用
クラッシュが頻発する場合、Windowsの「イベントビューアー」を確認すると原因特定の手がかりが得られることがあります。「Windowsログ」>「Application」の中に、クラッシュした時刻と一致するエラーログ(Application Errorなど)が記録されていないか調べてみましょう。
valorant windows 11 フリーズへの対処法
- VAN9003エラーの確認
- セキュアブート設定の見直し
- 強制終了できず落とせない時
- 試すべき基本的な対処法
- valorant windows 11 フリーズの総括
VAN9003エラーの確認
Windows 11環境でVALORANTを起動しようとした際に「VAN9003」というエラーが表示される場合、それはWindows 11のセキュリティ要件を満たしていないことを示しています。
VALORANTのアンチチート「Vanguard」は、システムの整合性を保つため、Windows 11環境では以下の2つの機能が有効であることを必須としています。
- TPM 2.0 (トラステッド プラットフォーム モジュール)
- セキュアブート
これらの設定は、PC起動時のBIOS(UEFI)画面で確認・変更する必要があります。
TPM 2.0は、最近のPCであればCPUに内蔵されている(AMD fTPM や Intel PTT)か、マザーボードにチップとして搭載されています。BIOSでこれらが「Enabled(有効)」になっているか確認しましょう。
セキュアブート設定の見直し
前述のVAN9003エラーと直結する、最も重要な確認項目がセキュアブートです。
セキュアブートは、PCの起動時に信頼できるソフトウェアのみを実行させるためのUEFIのセキュリティ機能です。これが無効(Disabled)になっていると、Vanguardが動作を拒否し、VALORANTが起動しません。
セキュアブートを有効にする際の注意点
セキュアブートを有効にするには、多くの場合、BIOS設定で「CSM (Compatibility Support Module)」を「Disabled(無効)」にする必要があります。CSMは古い起動方式(レガシーBIOS)との互換性を保つための機能であり、セキュアブートとは排他関係にあるためです。
設定変更は慎重に
CSMを無効にすると、OSがインストールされているストレージの形式(MBRかGPTか)によっては、Windowsが起動しなくなるリスクがあります。設定変更に不安がある場合は、PCのメーカーやマザーボードのサポート情報を事前に確認することを強く推奨します。
強制終了できず落とせない時
プレイ中にPCが完全にフリーズし、Ctrl+Alt+Deleteも効かず、まさに「落とせない」状態に陥った場合の対処法は限られています。
前述の通り、この場合の最終手段はPC本体の電源ボタンを10秒程度長押しし、強制的に電源を遮断することです。これはPCにとって望ましい操作ではなく、実行中の作業やシステムファイルが破損する可能性もゼロではありません。
フリーズが頻発する環境では、こまめに作業を保存する癖をつけると共に、根本的なフリーズ原因(ドライバやHAGS設定など)の解決を急ぐ必要があります。
試すべき基本的な対処法
Windows 11環境でのフリーズにおいて、特に効果が報告されているいくつかの基本的な対処法を紹介します。フリーズに悩んでいる方は、まずこれらを試してみてください。
1. ハードウェア アクセラレータによるGPUスケジューリング (HAGS) の無効化
これが最も効果が期待できる対処法の一つです。Windows 11のこの新機能が、特定のGPU(特にNVIDIA製)とVALORANTの組み合わせで不安定さを引き起こすことが知られています。
- Windowsの[設定]を開きます。
- [システム] > [ディスプレイ] の順にクリックします。
- 関連設定にある [グラフィック] をクリックします。
- [既定のグラフィックス設定を変更する] をクリックします。
- [ハードウェア アクセラレータによるGPUスケジューリング] のスイッチを「オフ」にします。
- PCを必ず再起動します。
2. グラフィックドライバのクリーンインストール
ドライバが古い、または不安定になっている可能性もあります。NVIDIAやAMDの公式サイトから最新のドライバをダウンロードし、インストールしてください。
より確実な方法として、「DDU (Display Driver Uninstaller)」というツールをセーフモードで使用し、古いドライバを完全に削除してから最新版をインストールする「クリーンインストール」を推奨します。
3. フルスクリーン最適化の無効化
Alt+Tabでの画面切り替え時などにフリーズしやすい場合に有効なことがあります。
- VALORANTのインストールフォルダを開きます。
- (例:
Riot Games\VALORANT\live\VALORANT.exe) VALORANT.exeを右クリックし、[プロパティ] を選択します。- [互換性] タブを開きます。
- [フルスクリーン最適化を無効にする] にチェックを入れ、[適用] をクリックします。
4. Alt+Tab の設定変更 (Windows 11 20H2以降)
Alt+Tab時の動作を変更することで、フリーズが改善したという報告もあります。
- Windowsの[設定]を開きます。
- [システム] > [マルチタスク] を開きます。
- [Alt + Tab] の項目を、「開いているウィンドウのみ」に変更します。
valorantがwindows 11でフリーズの総括
この記事で解説した、valorantがwindows 11でフリーズする問題の要点をまとめます。
- Windows 11でのフリーズは単一の原因ではなく複合的な要因が絡む
- 症状には「起動しない」「起動画面で固まる」「PC全体がフリーズ」などがある
- 「マウスだけ動く」場合はグラフィックドライバの応答停止が疑われる
- 「クラッシュ」はメモリのオーバークロックや常駐ソフトが原因の場合がある
- VAN9003エラーはセキュリティ要件(TPM 2.0, セキュアブート)の未達を示す
- セキュアブート有効化にはCSMの無効化が必要な場合があり注意を要する
- PCが完全に固まり「落とせない」時は電源ボタン長押しで強制終了する
- 強制終了はリスクを伴うため多用は厳禁
- 最も試すべき対処法は「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング(HAGS)」の無効化
- HAGSを無効化したら必ずPCを再起動する
- グラフィックドライバはDDUを使ったクリーンインストールが推奨される
- 「フルスクリーン最適化の無効化」も有効な対策の一つ
- Alt+Tabの設定を「開いているウィンドウのみ」に変更すると改善する場合がある
- 熱暴走が疑われる場合はPC内部の清掃や冷却を見直す
- VALORANTの「修復」機能でゲームファイルの破損をチェックする
