ゲーマー必見!CPUの適正温度の目安と確実に下げる方法

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ゲーマー必見!CPUの適正温度の目安と確実に下げる方法

こんにちは。ゲーミングPC完全ナビ、運営者の「ゆうご」です。

最近、パソコンでゲームを遊んでいたり動画を編集していたりするときに、ファンの音が異常にうるさく感じたり、本体が熱くなっていたりして、ふとCPUの温度が気になったことはありませんか。

ネットで調べてみても情報がバラバラで、自分の使っているCPUの適正温度の目安が一体どれくらいなのか、不安になることも多いと思います。

とくに最近のintelやamdのプロセッサは、数年前の常識が通用しないくらい熱を持ちやすい設計になっているので、どこまでが安全圏なのか気になりますよね。

実際にwindows 11のタスクマネージャーを使って調べようとしても、CPUの温度項目が見当たらず困ってしまった方もいるかもしれません。

また、なんとかして温度を下げるために、電源管理の最大状態を99%にするという裏技的な手法や、最新のRyzen 7000番台や9000番台を使用している環境でのPBOを活用した温度の制限や詳細な設定について、もっと踏み込んで知りたいという声もよく耳にします。

そこで今回は、ゲーミングPCを愛用する皆さんに向けて、CPUの熱に関するモヤモヤをスッキリ解決できる情報を徹底的にまとめました。

この記事をじっくり読んでいただければ、ご自身のパソコン環境に合わせた正しい熱対策の知識がきっと身につくはずですよ。

ポイント

  • 自分のPC環境に合ったCPU温度の正常な範囲と基準
  • IntelやAMDなど最新プロセッサの熱に対する設計の違い
  • Windowsの標準機能や専用ツールを使った正確な温度の確認手順
  • 設定変更やメンテナンスで効果的にパソコンの温度を下げる具体策

CPUの適正温度の目安とアーキテクチャ別の違い

まずは、あなたが今使っているパソコンの適正温度がどれくらいなのか、基本的な目安と最新パーツの熱事情についてお話ししますね。実は最近のCPUって、昔の常識がまったく通用しないくらい、熱に対する考え方が大きく変わってきているんです。それぞれの環境やパーツごとに詳しく見ていきましょう。

デスクトップやノートPCの温度目安

CPUの適正温度とひと口に言っても、使っているパソコンの種類(フォームファクタ)や、その時の作業の重さによって全く変わってきます。

一般的に、しっかりとした冷却クーラーが付いているデスクトップPCの場合、何もしていないアイドル状態なら30℃〜50℃くらい、重いゲームをしたり動画の書き出しをしたりする高負荷時で70℃〜85℃くらいが正常な範囲だと言われています。

ただ、ここで気をつけたいのは、「この温度を超えたら即アウト」という絶対的な基準ではないということです。特に最近人気のゲーミングノートPCや、手のひらサイズのミニPCなんかは、どうしても本体の中に大きなファンやヒートシンク(金属の冷却パーツ)を詰め込めません。物理的な限界があるため、デスクトップPCよりも「熱くなる前提」で設計されているんです。ノートPC特有の排熱対策については、ゲーミングノートPCを効果的に冷却する方法でも詳しく解説しています。

使用シーン デスクトップPC ノートPC ミニPC
アイドル時(無操作状態) 30℃〜50℃ 35℃〜55℃ 40℃〜55℃
軽負荷時(ブラウザ・動画視聴) 40℃〜60℃ 45℃〜65℃ 40℃〜65℃
高負荷時(ゲーム・動画編集等) 65℃〜85℃ 70℃〜90℃ 70℃〜90℃
注意・対策が必要な温度域 90℃以上 95℃以上 95℃以上

上の表を見てもらうとわかる通り、ノートPCやミニPCなら、高負荷時に90℃くらいまで上がっても、すぐに異常というわけではありません。メーカー側もそれを見越して作っているからです。

でも、だからといって90℃以上の状態が何時間も、何日も続くのはあまり良くありません。長期的にはパソコンの寿命を縮めたり、熱のせいで性能がガクッと落ちる「サーマルスロットリング」という現象が起きやすくなったりするので、注意が必要です。

【補足】
数値データはあくまで一般的な目安です。使用しているPCケースの風通しや、部屋の温度によっても大きく変動します。正確な耐熱情報は各メーカーの公式サイトも併せて確認するようにしてくださいね。

IntelとAMDの設計思想と温度許容範囲

自作PCをしている人たちの間でよく言われていた「CPU温度は85℃を超えたら危険!」という常識。実はこれ、最新のCPUには当てはまらないことが多いんです。

現在、パソコン用CPUの二大巨頭であるIntelとAMDは、それぞれ全く違う「熱に対する設計思想」を持っています。シリコンチップの性能を限界まで引き出すために、あえて高温で動かすような仕組みを採用しているモデルが増えているんですよ。

Intelの最近の事情(第13/14世代からCore Ultraまで)

IntelのCore i9-14900Kなどのハイエンドモデルは、性能がとんでもなく高い反面、限界温度(Tjmax)である100℃付近まで一気に温度が上がる傾向がありました。かなり高価な水冷クーラーを使わないと、すぐに100℃に到達して性能制限(サーマルスロットリング)がかかってしまう、というじゃじゃ馬ぶりだったんです。

しかし、次世代のCore Ultra 200Sシリーズ(Arrow Lake)では、この状況がガラッと変わりました。電力の効率が根本的に見直されていて、たとえばCore Ultra 5 245のようなモデルなら、普通の空冷クーラーでも高負荷時に70℃〜80℃前後に収まるようになっています。「Intel=爆熱だから水冷必須」というイメージは、徐々に過去のものになりつつあるかなと思います。搭載CPUや予算に合った冷却方式を判断したい方は、ゲーミングPCは水冷と空冷のどちらがよいかを比較した記事も参考にしてください。

AMDの最近の事情(Ryzenシリーズ)

一方でAMDのRyzen 7000シリーズや最新の9000シリーズは、Intelとはまた違った面白いアプローチをしています。
AMDは「限界温度の95℃に到達するまで、自動でクロック(処理速度)を引き上げ続ける」という設計になっているんです。つまり、ゲームやベンチマークで95℃に張り付いたとしても、それは「限界まで仕事を頑張っている証拠」であり、異常ではありません。実際にAMDの公式仕様では、Ryzen 7000シリーズのRyzen 5 7600とRyzen 9000シリーズのRyzen 7 9850X3Dについて、最大動作温度(Tjmax)がいずれも95℃と示されています(出典:AMD「Ryzen 5 7600 General Specifications」AMD「Ryzen 7 9850X3D General Specifications」)。

CPUモデル(世代・用途) アイドル時 高負荷時 許容上限温度 (Tjmax)
Intel Core i9-14900K (デスクトップ) 35℃〜50℃ 85℃〜100℃ 100℃
Intel Core Ultra 9 285H (モバイル) 35℃〜50℃ 75℃〜80℃ 110℃
AMD Ryzen 7 7700X (デスクトップ) 35℃〜45℃ 70℃〜80℃ (制限時) 95℃
AMD Ryzen 9 7940HS (モバイル) 40℃前後 65℃〜85℃ 95℃

最新Ryzenの温度制限とPBO設定

AMDのRyzenについて少し触れましたが、この「95℃まで勝手に性能を上げる機能」のことを、PBO(Precision Boost Overdrive)と呼びます。

CPUが自分の温度や、使っている電力、マザーボードに流れる電流などをミリ秒単位(1秒の1000分の1)で監視して、「まだクーラーの冷却に余裕があるな」と判断したら、どんどんパワーを上げていく賢いシステムです。これのおかげで、ユーザーは難しい設定をしなくても勝手に最大性能を引き出せる恩恵を受けています。

しかし、「仕様だから安全」と言われても、常に95℃で動き続けるのは精神的にヒヤヒヤしますよね。しかも95℃付近って、実は「使っている電力の割には、そこまで性能が伸びない」という、いわゆるワットパフォーマンスが悪い領域でもあるんです。

そこで、後ほど詳しく解説しますが、マザーボードのBIOS(バイオス)という根幹の設定画面から、このPBOの挙動をコントロールして、「85℃でストップしてね」と制限をかける方法が、今の自作PC界隈ではトレンドになっています。性能の低下を最小限にしつつ、安心できる温度で運用する賢い方法です。

GPUの適正温度とCPUへの影響

ゲーミングPCを使うなら、CPUと同じくらい、いや、それ以上に気にしなければならないパーツがあります。それがGPU(グラフィックボード)です。

ゲームの美しい映像を作り出したり、物理演算を行ったりするGPUは、実はパソコンの中で一番の熱源(ストーブのようなもの)なんです。そして、パソコンのケースの中では、CPUもGPUも同じ空気を共有しています。

どういうことかと言うと、GPUが頑張ってゲームの映像を作って熱い空気を吐き出すと、その熱い空気をCPUのクーラーが吸い込んでしまうんです。結果として、「CPU単体ではそこまで頑張っていないのに、GPUの熱をもらってCPUまで熱くなってしまう」という現象が頻繁に起きます。

GPUの適正温度の目安
・アイドル時:30℃〜55℃
・高負荷時(ゲーム中など):65℃〜85℃

GPUはCPUに比べてチップそのものが大きく、巨大な金属の塊(ヒートシンク)と複数のファンが付いているので、熱を逃がすのが得意です。しかし、構造上の違いから、CPUのように100℃まで耐えられる設計にはなっていません。

最新世代のGPUの限界温度を見てみると、NVIDIAのRTX 50シリーズの上限は約92℃、AMDのRX 9070系はチップ内の最も熱い部分(Junction温度)で約100℃が上限となっています。基本的にGPUの温度が90℃を超えたら、かなり危険な状態だと思ってください。すぐにケースの風通しを見直すなどの対策が必要です。

また、パソコンの中にはデータを保存するNVMe SSD(適正30℃〜55℃)や、マザーボードの電源回路であるVRM(適正50℃〜80℃)など、熱に弱いパーツがたくさんあります。CPUの温度だけでなく、パソコン全体の熱をどう逃がすか、という総合的な視点が大切ですね。

高温状態が続くことによる故障の前兆

「熱いまま使い続けたら、パソコンって爆発したり燃えたりするの?」と不安になる方もいるかもしれませんが、今のパソコンは非常に賢いので、CPUが熱のせいで一瞬にして物理的に壊れることは滅多にありません。

しかし、危険な温度(80℃台後半〜100℃)で長期間使い続けると、ボディーブローのように徐々にダメージが蓄積されていきます。どんな影響が出て、どんな前兆があるのかを知っておきましょう。

1. サーマルスロットリングによる性能低下

CPUやGPUは、限界温度(90℃〜100℃付近)に達すると、自らを熱から守るために強制的にパワーを落とします。これをサーマルスロットリングと呼びます。
これが発生すると、ゲームのフレームレート(FPS)が急激に落ちてカクカクになったり、動画の書き出しに異常な時間がかかったり、ひどい時はマウスのカーソルすら飛ぶように動くようになります。

2. 周辺パーツの寿命短縮

CPU自体は熱に強くても、その周りにある部品が悲鳴を上げます。特にマザーボード上のコンデンサやメモリは熱に弱く、本来なら10年使えるはずの部品が、数年でダメになってしまうこともあります。
ノートパソコンの場合はもっと深刻で、内蔵されているリチウムイオンバッテリーが熱で劣化し、最悪の場合はバッテリーが膨らんでキーボードが浮き上がったりすることもあります。

見逃してはいけない熱暴走のサイン
【初期】ファンの音が普段より甲高くうるさい、何もしていないのに温度が60℃から下がらない。
【中期】重い作業中に一瞬画面がフリーズする、特定のゲームがよく強制終了する。
【末期】突然PCの電源が落ちる(シャットダウン)、ブルースクリーンが出る、警告音(ビープ音)が鳴る。

もし、水冷クーラー(AIO)を使っていて、起動した直後に一瞬でCPU温度が100℃になり電源が落ちるようなら、クーラーのポンプが故障して冷却液が回っていない可能性が高いです。この状態で何度も再起動を繰り返すと、他のパーツまで巻き込んで壊れる可能性があるので、すぐに使用をやめてくださいね。
※最終的なパーツの故障判断や修理は、専門のショップやサポートにご相談ください。

CPUの適正温度を保つための確認と下げる方法

ここまで、パソコンの温度に関する基本や裏事情をお話ししてきました。ここからは実践編です。実際に自分の環境で温度を正確に測る方法と、高すぎる温度を安全に、そして確実に下げるための具体的なテクニックを解説していきます。ちょっとした設定やメンテナンスで、見違えるほど静かで快適なパソコンになることもありますよ。

Windows11タスクマネージャーの限界

「CPUの温度が知りたい!」と思った時、一番最初に思いつくのがWindows標準の「タスクマネージャー」を開くことですよね。Ctrl + Shift + Escキーで開く、あの画面です。

でも、いざ「パフォーマンス」タブを開いてみても、表示されているのはGPU(グラフィックボード)の温度だけで、CPUの温度はどこにも見当たらないはずです。実は、Windows 10やWindows 11のタスクマネージャーには、CPUの温度を直接表示する機能が備わっていないんです。

外部のソフトを絶対に入れたくない!という場合は、Windows標準の「パフォーマンスモニター」を使ったり、コマンドプロンプトに呪文のようなコマンド(WMIクラスを呼び出すもの)を打ち込む方法も一応存在します。
ですが、これらの機能が教えてくれる温度の単位は、私たちが普段使っている摂氏(℃)ではなく、なんとケルビン(K)の10倍の数値なんです。例えば「3105」という数字が出てきたら、「3105 ÷ 10 - 273.15 = 37.3℃」という計算をいちいちやらなければなりません。正直、まったく実用的ではありませんよね。

専用ツールによるリアルタイム温度監視

正確に、そしてリアルタイムにCPUの温度を確認するには、ハードウェアのセンサー情報を読み取ってくれるサードパーティ製(Windows以外の企業や個人が作ったもの)の専用ソフトを導入するのが、PCゲーマーや自作erの間では常識となっています。

代表的な無料ツールをいくつか紹介しますので、自分の用途に合ったものを一つインストールしておくことを強くおすすめします。

ツール名 特徴と最適な用途
Core Temp CPUのコアごとの温度監視に特化した、非常に軽くてシンプルなソフト。タスクバー(画面右下)に常時温度を表示できるので、ゲーム中もチラッと確認したい一般ユーザーに一番おすすめ。
HWMonitor CPUだけでなく、GPU、ストレージ、マザーボードの各温度、ファンの回転数までツリー状に一覧で表示してくれます。パソコン全体の健康状態をサクッと把握したい人にぴったり。
HWiNFO マニア向けの超高機能ツール。VRM(電源回路)の温度や、CPUがサーマルスロットリングを起こした履歴まで詳細に記録してくれます。ちょっと玄人向けですが、情報量はNo.1です。
OCCT / AIDA64 ただ温度を見るだけでなく、わざとPCに最大負荷をかけて(ストレステスト)、自分の冷却システムがどこまで耐えられるかをテストするための強力なツール。オーバークロックをする人向け。

まずはシンプルで使いやすい「Core Temp」か「HWMonitor」あたりから試してみるのが良いかなと思います。

室温管理とPC内部の清掃による冷却対策

ソフトを使って温度が確認できるようになったら、次は「物理的な対策」です。パソコンの設定をいじる前に、まずは熱力学の基本に立ち返って、パソコンがちゃんと呼吸できているかを確認しましょう。発熱トラブルのほとんどは、これが原因だったりします。

1. 部屋の温度(室温)を下げる

身も蓋もない話に聞こえるかもしれませんが、これが一番効果的です。パソコンの冷却ファンは、ケースの周りにある「部屋の空気」を吸い込んでパーツを冷やします。つまり、吸い込む空気が熱ければ、パソコンは冷えません。
パソコンを使う部屋の適正温度は10℃〜30℃程度とされています。特に日本の過酷な夏場は、エアコンを使って室温を28℃以下に保つことが最強の熱対策です。室温が3℃下がれば、PCパーツの温度も素直に3℃近く下がってくれますよ。

2. パソコンの設置場所とエアフローの確保

机の下や棚の奥にパソコンを押し込んで、壁にベッタリとくっつけていませんか?パソコンは前や下から空気を吸い込み、後ろや上から熱い空気を吐き出します。
壁や家具から最低でも10cm〜15cmくらいの隙間を空けて、空気の通り道(エアフロー)を作ってあげてください。床付近はホコリを吸い込みやすいため、設置場所に迷っている方は、ゲーミングPCを床置きする際の危険性と対策も併せて確認しておくと安心です。

【注意】サイドパネルは開けっ放しにしない!
「熱がこもるから」といって、デスクトップPCの横のフタを開けたまま使う人がいますが、これは逆効果です。ケースの中の空気の流れが計算通りに行かなくなり、一部のパーツが逆に冷えなくなります。ホコリも大量に吸い込むので絶対にやめましょう。

3. 定期的なホコリ掃除とグリスの塗り替え

パソコンを長く使っていると、ファンやヒートシンクにホコリがびっしり詰まります。ホコリは空気の通り道を塞ぐだけでなく、ホコリ自体がセーターのような「断熱材」になってしまい、熱が逃げなくなります。できれば3ヶ月に1回くらいは、コンセントを抜いてエアダスター等でホコリを吹き飛ばしてあげてください。

また、CPUとクーラーの間には「サーマルグリス」という熱を伝えるペーストが塗られています。これが2〜3年経つとカピカピに乾燥してしまい、熱を伝えなくなります。なんだか最近異常に温度が高いなと感じたら、クーラーを外して古いグリスをアルコールで拭き取り、新しいグリスを塗り直すだけで10℃以上劇的に冷えることもありますよ。(※分解作業は自己責任で慎重に行ってくださいね)

電源管理を99%にして温度を下げる設定

「掃除もしたし部屋も涼しいのに、ノートパソコンが火を噴きそうなくらい熱い!」
そんな方にぜひ試してほしい、ソフトウェア側の強力な裏技があります。それが「プロセッサの電源管理を99%に制限する」というテクニックです。

設定の手順

  1. Windowsの「コントロールパネル」を開く(スタートメニューで検索すると早いです)。
  2. 「ハードウェアとサウンド」 > 「電源オプション」をクリック。
  3. 今選ばれているプランの右側にある「プラン設定の変更」をクリック。
  4. 「詳細な電源設定の変更」をクリックして小さなウィンドウを出します。
  5. リストの下の方にある「プロセッサの電源管理」の+マークを押して展開します。
  6. 「最大のプロセッサの状態」を開き、数値を「100%」から「99%」に変更して「適用」を押します。

なぜこれで温度が下がるのか?(技術的なメカニズム)

「100%を99%にしただけで、たった1%しか変わらないじゃないか」と思うかもしれません。でも、パソコン内部で起きている変化は全く異なります。

この数値を99%に設定すると、OS(Windows)がCPUに対して「無理して限界まで頑張らなくていいよ」という命令を出します。すると、CPUが自動で限界までクロックを引き上げるターボブースト機能(自動オーバークロックのようなもの)が完全に無効化されるんです。

CPUはこの「ターボブースト」を行う時、ほんの少しの性能を引き出すために、ものすごい量の電気(電圧)を使います。これが爆熱の原因です。99%に設定してターボブーストを切ることで、基本の速度(ベースクロック)でゆったり動くようになり、無駄な高電圧がかからなくなります。

結果として、環境によっては最大温度が20℃〜40℃も劇的に下がり、うるさかったファンも無音レベルまで静かになることがあります。ゲームのFPSなどは多少落ちることもありますが、体感ではそこまで変わらないことが多いので、排熱に限界があるノートPCユーザーには最もおすすめできる設定です。

BIOSを活用した高度な温度管理

もしあなたがデスクトップPCを使っていて、とくにAMDのRyzen 7000シリーズや9000シリーズなどを搭載しているなら、パソコンの根幹システムである「BIOS(UEFI)」から設定をいじることで、よりスマートで専門的な温度管理が可能です。

少し難易度は上がりますが、これを知っておくと自作PCの運用がグッと楽しくなりますよ。

1. 温度制限(Platform Thermal Throttle Limit)

先ほど「Ryzenは95℃を目指してブーストする」とお話ししましたが、BIOSのPBO(Precision Boost Overdrive)設定画面から、この目標温度を自分で書き換えることができます。
例えば、この「Platform Thermal Throttle Limit」という項目の数値を「85」に設定すれば、CPUは85℃に到達した時点で自動的にパワーを緩めるようになります。MSIなどのマザーボードでは、最初から「Set Thermal Point 85」といった簡単なプリセットが用意されていたりもします。性能低下はほんの数パーセントに抑えつつ、安心できる温度で運用できる素晴らしい機能です。

2. 電力制限(PPT)でエコモード運用

温度ではなく、CPUが使える「最大消費電力(PPT)」そのものに制限をかける方法もあります。例えば、最大170Wも電気を食うハイエンドCPUの設定を、125Wや65Wといった低い数値に制限します。
動画のエンコードなどで全コアを100%使うような場面では、スコアが10%〜20%ほど下がってしまいますが、消費電力がガクッと下がるため、最大温度も20℃以上冷えることが多いです。ゲーム用途ならCPUをそこまでフルに使い切ることは少ないので、電力制限によるワットパフォーマンス向上は非常に大きなメリットがあります。

3. Curve Optimizer(アンダーボルティング)

これは通称「アンダーボルト」と呼ばれる手法です。CPUは工場を出荷される際、どんな環境でも絶対にフリーズしないように、少し余裕を持たせて高めの電圧が設定されています。
BIOSの「Curve Optimizer(CO)」という機能を使って、この供給される電圧をマイナス方向(例えば -20 や -30 など)に少しずつ削っていくんです。

電圧を下げる=発熱が減る、ということです。発熱が減ると温度に余裕が生まれるので、PBOの機能が「おっ、まだ冷えてるからもっとクロックを上げられるぞ!」と判断し、結果的に「温度は下がっているのに、性能はむしろ上がっている」という魔法のような状態を作り出すことができます。

4. Core Performance Boostの無効化

「パソコンでただネットサーフィンをしているだけなのに、突然ファンがブォーン!と一瞬だけ高速回転して、すぐ静かになる」
これを繰り返す現象(ファンハンチング)に悩まされている方はいませんか?これは、バックグラウンドのちょっとした処理に対してCPUが過敏に反応し、一瞬だけ全力でターボブーストをかけてしまうために起こります。
BIOSから「Core Performance Boost」という項目を無効(Disabled)にすることで、この急激なクロックと電圧の変動を抑え込み、アイドリング中の温度とファンの騒音を完全に落ち着かせることができます。

【BIOS設定に関する注意事項】
BIOSの設定変更は、数値を間違えるとパソコンが起動しなくなるなど、自己責任での作業となります。ご自身のマザーボードの型番と「PBO 設定」などで検索し、やり方をしっかり理解してから慎重に行ってください。最終的な判断やトラブル対応は、専門知識のある方にご相談くださいね。

総括:CPUの適正温度を維持する運用術

いかがだったでしょうか。CPUの適正温度を管理するということは、単に「数字が低ければいい」と一喜一憂することではありません。ご自身の使っているPCパーツの特性を正しく理解して、ハードウェアの環境作りとソフトウェアの設定の両面から、心地よい状態を整えてあげるプロセスなんです。

最後に、この記事の重要ポイントをまとめますね。

  • アーキテクチャの「仕様」を受け入れる
    最新のRyzenや一部のIntelハイエンドCPUで見られる90℃超えの挙動は、あらかじめ想定された仕様です。ただ数字が高いことよりも、「何もしていないのに温度が下がらない」「昔と同じゲームなのに以前より明らかに熱い」といった変化(異常の兆候)を見逃さない視点が大切です。
  • 監視を習慣にする
    WindowsのタスクマネージャーだけではCPUの温度はわかりません。Core TempやHWMonitorといった専用の監視ツールを導入して、普段から自分のパソコンの「平熱」を知っておく習慣をつけましょう。
  • まずは物理的な環境整備から
    難しい設定をする前に、部屋の温度管理、ケース周りの空間確保、そして定期的なホコリ掃除やグリスの塗り替えといった、熱力学の基本に忠実なお手入れを徹底してください。これが一番効きます。
  • ソフトウェアとBIOSで賢く制御
    ノートパソコンなど熱が逃げにくい環境なら、Windowsの電源管理から最大状態を99%にしてターボを切り、熱暴走を封じ込めましょう。デスクトップならBIOSのPBO設定やCurve Optimizerを駆使して、自分にとって一番おいしい「ワットパフォーマンス」を追求してみてください。

パソコンの熱は、素晴らしい処理能力を発揮してくれている証拠でもあります。正しい知識を持って監視とコントロールを行えば、その熱を上手に飼いならし、パーツの寿命を延ばしながら、静かで快適な最高のゲーミング環境を作ることができるはずです。

あなたのPCライフがより良いものになるよう、応援しています!

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