ゲーミングPC本体

ノートPCに安くグラボを後付けする方法と選び方のコツ

ノートパソコンのグラフィック性能を手軽に強化したいものの、できるだけコストは安く抑えたい――そう考える方にとって、有力な選択肢のひとつが外付けGPUの導入です。

最近では、軽めのゲームや動画編集をより快適に行うために、この方法を検討する人が増えています。

ただし、実際に導入してみると期待通りの効果が得られなかったという声もあり、「外付けGPUはおすすめできない」といった意見が見られるのも事実です。

本記事では、「ノートパソコンの外付けグラボのデメリットは?」という疑問や、「ノートPCのGPUメモリを増やすことはできますか?」といった基礎的な悩みにも丁寧に答えています。

また、「グラボは何年くらいで劣化しますか?」という寿命に関する情報や、「GPUとグラボは同じですか?」といった初心者が混乱しやすいポイントについても、わかりやすく解説します。

さらに、格安で導入できるおすすめの外付けグラボや、自作での構築方法、Thunderbolt以外の接続可否、中古製品を選ぶ際の注意点、外付けグラボの交換範囲などについても詳しく紹介しています。ノートパソコンにグラボがないことに悩んでいる方は、この記事を参考に、自分に合った最適な方法を見つけてみてください。

ポイント

  • 外付けグラボの導入メリットとデメリットがわかる
  • ノートPCで安くグラボを後付けする方法がわかる
  • 自作や中古グラボの活用ポイントが理解できる
  • Thunderbolt以外での接続可否や制限が把握できる

ノートPCグラボ後付け安いおすすめとは

  • 外付けgpuをやめとけと言われる理由
  • ノートパソコンの外付けグラボのデメリットは?
  • 中古の外付けグラボは本当に使える?
  • 格安の外付けグラボは性能的に大丈夫?
  • 自作でノートPCにグラボを増設する方法

外付けgpuをやめとけと言われる理由

外付けgpuをやめとけと言われる理由

外付けGPUは一見便利に思えますが、「やめとけ」と言われる理由は主にコストとパフォーマンスのバランスの悪さにあります。とくにノートPCでゲームや映像編集など高負荷な作業をしたいと考えている方にとっては、その性能に対する満足度が低くなる可能性があるのです。

まず、外付けGPUを利用するには「eGPUボックス」という専用の機器が必要になります。このボックス自体が数万円しますし、さらに別途グラフィックボード本体も購入しなければなりません。

これに加えて、ボックスとGPUの両方を安定動作させるためには、それなりの電源供給や放熱環境も必要になります。

そのため、総額で10万円近い出費になることも珍しくありません。

これだけの費用をかけても、外付けGPUの接続はThunderbolt 3または4が前提となるため、帯域の制約によりグラボ本来の性能が100%発揮されるわけではありません。

もう一つの大きな問題は「持ち運びの難しさ」です。ノートPCは本来、軽量で移動がしやすいのが利点ですが、外付けGPUを使うことで本体とは別に重くてかさばるeGPUボックスを持ち歩く必要が生じます。

これにより、ノートPCのモバイル性が大きく損なわれてしまいます。実際には自宅の据え置き環境でしか使用できず、「それならば最初からデスクトップPCを買えばよかった」と感じる人も少なくありません。

このように、価格面、性能面、携帯性すべてにおいて中途半端な印象がぬぐえないため、結果的に「やめとけ」と言われてしまうのです。少しでも快適な環境を求めるのであれば、ゲーミングPCやハイスペックなノートPCへの買い替えも視野に入れる方が合理的です。

導入する前に知りたいデメリット

ノートパソコンに外付けグラボを接続する場合、いくつかの明確なデメリットがあります。とくに注意すべきは「性能の制限」「接続の複雑さ」「設置スペースの問題」です。これらは初めて導入を検討する方にとって、意外と大きなハードルとなります。

最も大きな問題は、グラフィックボードの性能が本来のスペック通りには発揮されないという点です。これは、Thunderbolt 3やThunderbolt 4という高速な接続規格であっても、接続帯域が制限されるためです。特に、高速なデータ転送が求められるゲームや動画編集などでは、フレームレートの低下や遅延が発生することがあります。

また、ノートPCのCPUやメモリ性能がグラフィックボードに追いつかず、全体のバランスが悪くなってしまうことも珍しくありません。

さらに、接続の準備も簡単ではありません。外付けグラボを使うには、Thunderbolt端子の有無を確認するだけでなく、専用ドライバのインストール、OSとの互換性、場合によってはBIOSの設定変更などが必要です。

これらの設定に慣れていない方にとっては、導入そのものが大きな負担になります。

加えて、外付けグラボを使用するためには物理的なスペースも確保する必要があります。eGPUボックスは大きく重いため、デスク上の配置やケーブルの取り回しに工夫が求められます。

また、冷却ファンの音が気になるケースもありますので、静音性を求める方には不向きな面もあるでしょう。

このように、ノートパソコンに外付けグラボを取り付けるのは「誰にでもおすすめできる方法」ではありません。

設置や運用に手間がかかるうえ、期待した効果が得られにくい場合もあるため、慎重に検討することが重要です。

中古は本当に使える?選ぶときのポイント

中古は本当に使える?選ぶときのポイント

中古の外付けグラボは価格が安く、予算を抑えたい方には魅力的に映るかもしれません。しかし、購入する際にはいくつかの注意点があります。価格面だけを重視して購入してしまうと、後悔につながるリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

まず最初に知っておくべきことは、外付けグラボには「eGPUボックス」と「グラフィックボード本体」の2つの要素があるという点です。

中古で購入する場合、それぞれの動作確認が十分に行われているかどうかが非常に重要になります。

とくにグラフィックボードは精密機器であり、使用時間や過去の使用環境によってはすでに寿命が近い可能性もあります。

また、グラボには一定の寿命があります。一般的には4~5年程度とされており、すでにそれ以上使用されている製品は、突然の故障や性能低下のリスクが高くなります。

中古市場に出回る製品の多くは、型落ち品や使用歴が不明なものも多いため、購入時には製造年や動作保証の有無を必ず確認しましょう。

さらに、相性問題も忘れてはいけません。中古のeGPUボックスやグラフィックボードが、自分のノートPCと正常に接続できるかどうかは、実際に使ってみないと分からない部分もあります。

メーカーや型番によってはドライバのサポートが終了していることもあり、その場合は最新のOSとの互換性に問題が出ることも考えられます。

中古品は予算を抑える選択肢にはなりますが、ある程度の知識と覚悟が必要です。少しでも不安がある場合は、新品を選んだ方が安全性や保証の面で安心できるでしょう。

購入する際は、信頼できる販売元から、保証付きの商品を選ぶようにしてください。

格安モデルは性能的に大丈夫?

格安の外付けグラボを検討する際、多くの人が「価格が安いぶん性能は大丈夫なのか」と疑問に感じるはずです。たしかに高価格帯の製品と比べるとスペックは控えめですが、軽めのゲームや動画再生、画像編集などであれば十分に活用できる場合もあります。

そもそも外付けグラボとは、ノートPCの性能を補うために外部接続して使うGPUボックスのことを指します。この外付けタイプの中でも「格安」と呼ばれる製品は、一般的に2〜4万円前後の価格帯で販売されていますが、この価格帯ではThunderbolt 3対応・電源内蔵・放熱構造などの基本的な要素を満たすものがほとんどです。そのため、価格の安さだけで性能に不安を感じる必要はありません。

とはいえ、ハイエンドなグラフィック処理には不向きです。例えば最新の3Dゲームや4K動画編集のような高負荷作業では、明らかに処理が重くなったり、フレームレートが不安定になることがあります。これは、格安の外付けグラボがエントリーモデルのGPUに対応していることが多く、ハイスペックなグラフィックボードには電源や冷却性能が不足しがちなためです。

また、Thunderbolt 3などのインターフェース自体に帯域の制限があるため、どれだけ高性能なGPUを使ったとしても、本来の実力を100%引き出すことは難しいという点も知っておく必要があります。そのため、ミドルレンジ以下のGPUを活用する用途であれば、格安モデルでも十分に満足できるケースが多いのです。

要するに、格安の外付けグラボが「使えるかどうか」は、どんな用途に使うかによって評価が分かれます。軽いゲームやYouTubeの視聴、資料作成などの一般的な作業を快適にしたいという目的であれば、価格を抑えつつ効果的にノートPCの性能を補う手段になり得るでしょう。

自作で増設する方法

中古は本当に使える?選ぶときのポイント

ノートPCにグラボを自作で増設する方法は、理論上は可能ですが、難易度が高くコストもかかるため、中・上級者向けの選択肢となります。主に「eGPU(外付けGPU)」の環境を自作するという形で実現されることが多く、いくつかの専用パーツをそろえる必要があります。

まず、必要なものを整理しましょう。基本的には以下の4点が必要です。

  1. デスクトップ用のグラフィックボード(GPU)
  2. GPUを接続するためのライザーカードまたはeGPUドック
  3. 外部電源ユニット(ATX電源など)
  4. グラボとノートPCを接続するためのインターフェース(Thunderbolt 3など)

この中でも、ライザーカードやeGPUドックは、自作eGPU構築の中心となるパーツです。Thunderbolt対応の製品を選ぶことで、ノートPCとの互換性が確保しやすくなります。なお、ノートPC本体にThunderbolt端子が搭載されていなければ、物理的に接続することができないので、事前に確認しておくことが重要です。

組み立て方としては、まずライザーカードにグラフィックボードを取り付け、それに電源ユニットを接続します。そのうえで、Thunderboltケーブルなどを使ってノートPCとグラボを物理的に接続し、最後に必要なドライバをインストールして環境を整えます。一部の製品では、電源ユニットのON/OFFスイッチがないものもあるため、作業には慎重さが求められます。

ただし、ここで注意すべきなのは「安く済ませようとすると安定性が犠牲になる」ということです。各部品をバラで購入し、少しでもコストを抑えようとすればするほど、組み合わせの相性問題やトラブル対応に追われる可能性が高まります。加えて、グラボ本体と電源のサイズや放熱の問題など、物理的な調整も必要になる場面が多くあります。

このように、自作でノートPCにグラボを増設するのは自由度が高い反面、リスクと手間が大きい方法です。ノートPCの仕様や設置環境を十分に理解したうえで、じっくりと準備する必要があります。手軽さよりも構築すること自体を楽しめる方には、選択肢として検討する価値があるでしょう。

ノートPCグラボ後付け安い製品の選び方

  • thunderbolt以外で外付けグラボは使える?
  • グラボは何年くらいで劣化しますか?
  • GPUとグラボは同じ意味なの?
  • ノートパソコンにグラボないと何が困る?
  • ノートPCのGPUメモリを増やすことはできますか?
  • 外付けグラボの交換はどこまで可能?

thunderbolt以外の接続手段

thunderbolt以外の接続手段

基本的には、ノートパソコンに外付けグラボ(eGPU)を接続するには「Thunderbolt 3」または「Thunderbolt 4」のポートが必要です。

しかし、Thunderbolt以外で使えないかと問われれば、いくつかの代替手段は存在します。ただし、それらには制約が多く、実用性はかなり限定されます。

まず、USB Type-CやUSB 3.0ポートを使って外付けGPUを接続したいと考える人は少なくありません。

見た目が似ていることから混同されがちですが、USBポートはThunderboltに比べて転送速度が大きく劣ります。

GPUのような大容量データを高速処理する機器では、USB接続では転送速度がボトルネックとなり、著しく性能が低下してしまいます。

結果として、グラフィック強化を目的にした導入が無意味になる場合もあるのです。

もう一つの方法として、ノートPCの内蔵M.2スロットやMini PCIeスロットに変換アダプタを介してGPUを接続する「DIY改造」的な手法も存在します。

ただし、この方法はPCの分解が必要であり、メーカー保証を失うリスクや、相性問題による起動不良も想定されます。

また、ノートPC本体の電力供給や冷却能力が足りず、安定動作が難しくなるケースもあります。

このように、Thunderbolt以外で外付けグラボを使うことは「理論上は可能だが、現実的ではない」と言えます。

動作の不安定さやパフォーマンスの著しい低下を避けたいのであれば、Thunderbolt 3/4搭載のノートPCを用意するのが現実的な選択です。

外付けGPUの導入を検討する際は、まず自身のPCがこの接続方式に対応しているかどうかをしっかり確認しましょう。

何年くらいで劣化する?

グラフィックボード(グラボ)は、通常の使用環境下ではおおよそ4〜5年程度で劣化すると言われています。

もちろん使い方や保管状態によって前後しますが、この期間を過ぎると、性能の低下や故障リスクが徐々に高まってきます。

そもそもグラボは、高性能な映像処理や3D描写を支える部品であり、その中にはGPUチップ、冷却ファン、コンデンサ、電源回路など多数の部品が搭載されています。

これらは長時間の使用や高温環境にさらされることで徐々に消耗していきます。

特にファンや電源周りは熱やホコリの影響を受けやすく、故障の原因となりやすい部分です。

例えば、毎日のように高負荷なゲームや映像編集に使用している場合、内部の温度が上がりやすく、ファンに負荷がかかることから寿命はさらに短くなる傾向があります。

また、タバコの煙やペットの毛などがPC内部に入り込むことで、ホコリと一緒にファンを詰まらせてしまい、冷却効率が下がることもあります。

一方で、軽い作業が中心で、定期的にクリーニングやメンテナンスをしている環境であれば、5年以上使えることも十分可能です。

ただし、年数が経つと新しいドライバの提供が終了したり、最新のソフトウェアに対応できなくなるなど、性能以外の部分でも不便さを感じる場面が増えてきます。

そのため、グラボは「何年使えるか」ではなく、「どのタイミングで交換すべきか」を考えることが重要です。

パフォーマンスに不満が出てきたり、異音・高温・ブルースクリーンなどのトラブルが発生し始めたら、交換やアップグレードを視野に入れるべきタイミングと言えるでしょう。

GPUとは同じ意味なの?

GPUとは同じ意味なの?

GPUとグラボは混同されやすい言葉ですが、正確には異なる意味を持っています。簡単に言えば、GPUは部品の名前、グラボは製品の名前です。この違いを理解しておくと、スペック表やパーツ選びの際に混乱しにくくなります。

GPUは「Graphics Processing Unit」の略で、映像処理や画像レンダリングを専門に行うチップです。

これは人間でいえば“脳”にあたる部分で、NVIDIAやAMDといったメーカーが設計・製造しています。たとえば「GeForce RTX 3060」や「Radeon RX 6600」などは、いずれもGPUの型番として表記されています。

一方、グラフィックボード(グラボ)は、このGPUチップを中心に、メモリ(VRAM)、電源回路、冷却ファンなどを組み合わせて1枚のカードとして完成させた製品です。

グラボはPCに差し込むことで映像出力を可能にし、性能の底上げを担います。メーカーとしてはMSI、ASUS、GIGABYTEなどが有名です。

つまり、グラボはGPUを搭載した「完成品」だと考えると分かりやすいでしょう。

このように、GPUとグラボは構成上の関係にあります。GPUが高性能であればあるほど、グラボの性能も基本的には高くなりますが、グラボの冷却機構や設計によって最終的な実力に違いが出ることもあります。

初心者の方は「GPUが〇〇だから、このグラボは良さそう」と判断するのは自然ですが、購入の際はそのグラボの冷却性能や搭載メモリ容量、消費電力なども確認するようにしましょう。

GPUとグラボを正しく理解することで、より納得のいくパーツ選びができるようになります。

描画性能がないと困ること

ノートパソコンに専用のグラフィックボード(グラボ)が搭載されていない場合、主に映像処理のパフォーマンスにおいてさまざまな不便が生じます。

グラボがないノートPCでは、CPU内蔵の「統合型GPU」が画像処理を担当しますが、この統合型GPUは性能が限られており、用途によっては明らかに不足する場面が出てきます。

まず、ゲームプレイにおいて大きな差が出ます。最新の3Dゲームや高解像度のオンラインタイトルでは、フレームレートが安定せずカクついたり、そもそも動作自体が困難になることがあります。

表示品質を極端に下げれば動作するケースもありますが、映像の滑らかさや細部の表現が損なわれ、快適なゲーム体験からは程遠くなってしまいます。

次に、映像編集や3Dモデリング、CADソフトなどクリエイティブな作業においても問題が発生します。

これらのソフトはGPUによる高速処理を前提としていることが多く、グラボ非搭載のノートPCでは処理に時間がかかったり、ソフトがフリーズする原因にもなります。

趣味の範囲であっても、作業効率が著しく下がるため、継続的に使い続けるのは難しく感じるかもしれません。

また、動画視聴やWebブラウジングといった軽い用途でも、4K動画の再生や複数タブの同時利用といった場面では、処理能力の不足を感じることがあります。

グラボがないとすべての処理をCPUと統合型GPUで賄う必要があるため、全体のパフォーマンスにも影響が出てきます。

このように、グラボがないノートPCは「できないこと」が多いというよりも、「快適にできることが限られる」と捉えるのが正しいでしょう。

用途が文書作成やメールチェック程度であれば問題ありませんが、少しでも高負荷な作業を想定するなら、グラボの有無は重要な判断基準になります。

ノートPCのGPUメモリを増やすことはできますか?

ノートPCのGPUメモリを増やすことはできますか?

ノートPCのGPUメモリ、つまりビデオメモリ(VRAM)を増やしたいと考える方は少なくありませんが、結論から言えば、物理的にVRAMだけを増設・交換することは基本的にできません

デスクトップPCとは違い、ノートPCの構造はコンパクトで一体型の設計が多く、グラフィック機能もマザーボードやCPUに統合されていることがほとんどです。

統合型GPU(CPU内蔵のグラフィック機能)の場合、VRAMとして使われるのはPCのメインメモリ(RAM)です。

したがって、多少の改善を期待するのであれば、メモリ自体を増設する方法が現実的な手段となります。

たとえば、8GBから16GBにメモリを増やすことで、統合型GPUが利用できるメモリの上限もわずかに増える可能性があります。

ただし、BIOSやOSの制限によって、自動的に割り当てが変わるかどうかは機種依存です。

一方で、専用GPUが搭載されたノートPC(ゲーミングノートなど)の場合、そのGPUに搭載されているVRAMは製品ごとに固定されています。

製品内部で半田付けされていることが多いため、個別にVRAMのみを交換・増設することはできません。

また、BIOS設定やWindowsの設定でVRAMを「増やす」ような項目が表示される場合もありますが、これはあくまで見かけ上の数値変更であり、実際の性能に大きな影響を与えるわけではありません。

このように、ノートPCでGPUメモリを増やす方法は非常に限られており、多くの場合は実質不可能です。パフォーマンスを本格的に向上させたいなら、外付けグラボを導入するか、初めからVRAM容量が多いモデルを選ぶ方が現実的といえるでしょう。

交換はどこまで可能?

外付けグラボ(eGPU)の魅力の一つに、グラフィックボードを取り替えられる「交換性」があります。

これは、一般的なGPUボックス(eGPUボックス)が内部にPCIeスロットを搭載しているため、市販のグラフィックボードを取り外して別のモデルに差し替えることができるからです。

ただし、交換可能とはいえ、いくつかの制限と注意点が存在します。

まず確認すべきは、GPUボックスのサイズと電源容量です。ハイエンドなグラフィックボードになるほどサイズが大きく、消費電力も高くなります。

使用するグラボが2スロット幅以上のサイズである場合、ボックス内に物理的に収まらないことがあります。

また、電源容量が不足していると、正常に動作せずフリーズや再起動が発生することもあります。

多くのeGPUボックスでは最大300W〜500W程度の電力供給に対応していますが、製品によっては上限が異なるため、必ず仕様を確認しておきましょう。

次に、接続規格の互換性も重要です。現行のグラフィックボードはPCIe 4.0や5.0に対応しているものもありますが、多くのeGPUボックスはPCIe 3.0までの対応に留まっています。

この差によって、性能が本来のスペックよりやや劣って動作する場合があります。とはいえ、ゲームやクリエイティブ用途で致命的な差になるケースは少ないため、大きな問題にはなりにくいのも事実です。

また、グラボを交換した場合、WindowsやmacOSでドライバの再インストールが必要になることが一般的です。

ドライバが適切にインストールされていないと、画面出力が行えなかったり、性能が発揮されなかったりするため、セットアップは慎重に行う必要があります。

このように、外付けグラボの交換は基本的には可能ですが、すべての環境でスムーズに行えるとは限りません。

事前にボックスの仕様やサイズ、消費電力の条件をしっかり調べておくことが、トラブル回避のために重要です。

交換の柔軟性を活かすためには、将来的なアップグレードも見越した製品選びがカギになります。

ノートPCにグラボを後付けする安い方法のポイントまとめ

記事のポイントをまとめました。

  • 外付けGPUはコスパと性能のバランスが悪く非推奨とされがち
  • eGPUボックスは数万円と高額でグラボ本体も別途必要
  • Thunderbolt 3または4がなければ基本的に接続不可
  • 携帯性が著しく損なわれモバイル用途に不向き
  • Thunderbolt接続でも帯域制限で性能が100%出ない
  • 設置や初期設定には技術的な知識と手間がかかる
  • 冷却音や設置スペースの問題が起こりやすい
  • 中古のeGPUやグラボは動作保証や寿命面でリスクがある
  • 相性問題が出やすくサポートが不十分な場合もある
  • 格安グラボでも軽作業や動画視聴には十分使える
  • 高負荷作業では格安モデルは処理落ちが発生する
  • 自作eGPUは自由度が高いが上級者向けでリスクも多い
  • USB接続では転送速度が遅く実用に耐えない
  • グラボの寿命は通常4~5年で使用状況に左右される
  • GPUはチップそのものでグラボはその搭載製品である

 

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