ノートパソコンの購入を検討する際、多くの人がryzenとintelのどっちを選ぶべきかという問題に直面します。
特に、amdとインテルはどっちがいいのか、具体的な性能比較はどうなのか、といった点は気になるところです。
大学生の方であれば、レポート作成からオンライン授業まで快適にこなせる一台を選びたいでしょう。
一方で、ノートパソコンのRyzenのデメリットや、Ryzenでは困ること、やめとけと言われる理由、さらにはryzenで動かないソフトの一覧があるのかといった不安の声も耳にします。
また、Ryzen 7とCore i7はどっちがいいのか、あるいはRyzen 5とCore i5はどちらが自分の使い方に合っているのか、具体的なモデルで悩むことも少なくありません。
この記事では、そうした疑問や不安を解消し、あなたの使い方に最適な一台を見つけるための情報を詳しく解説していきます。
- RyzenとIntelの基本的な性能や特徴の違い
- 具体的なモデル(Ryzen 7 vs Core i7など)の比較
- Ryzenに関するデメリットや注意点の真偽
- 大学生など用途に合わせた最適なCPUの選び方
ryzenかintelか、ノートパソコンはどっちがいい?
- amdとインテルはどっちがいいか基本を解説
- CPUの性能比較で見るスペックの違い
- Ryzen 7とCore i7どっちがいいか用途別に比較
- Ryzen 5とCore i5どっちがいいか価格で比較
- 大学生におすすめなのはどちらのCPUか
- CPUの世代による性能差にも注意が必要
amdとインテルはどっちがいいか基本を解説
パソコンの心臓部とも言えるCPUを選ぶ際、AMDとIntelは二大メーカーとして常に比較対象となります。どちらが良いかを一言で決めるのは難しく、それぞれのCPUが持つ特徴や得意分野を理解することが、自分に合ったノートパソコン選びの第一歩となります。
Intel製のCPUは、長年にわたり市場で高いシェアを誇り、優れたシングルコア性能と幅広いソフトウェアとの互換性の高さが特徴です。シングルコア性能とは、一つの作業をどれだけ速く処理できるかという指標であり、特にゲームや一部の専門ソフトの動作に影響を与えます。多くのソフトウェアがIntel製CPUを基準に開発されてきた歴史的経緯から、安定した動作を最優先する場合には有力な選択肢と考えられます。
一方、AMD製のRyzenシリーズは、マルチコア性能に優れている点が大きな魅力です。マルチコア性能は、複数の作業を同時に行う際の処理能力を示し、動画編集やライブ配信、複数のアプリケーションを同時に開いて作業するような場面でその力を発揮します。近年では、シングルコア性能も飛躍的に向上しており、Intel製CPUとの差は縮まっています。コストパフォーマンスの面でも優位性を持つモデルが多く、限られた予算で高い性能を求めるユーザーから強い支持を得ています。
要するに、安定性や特定のゲーム・ソフトでのパフォーマンスを重視するならIntel、複数の作業を同時にこなすマルチタスク性能やコストパフォーマンスを重視するならAMDのRyzen、というのが基本的な考え方になります。ただし、技術革新は日進月歩であり、世代によって性能バランスは変動するため、常に最新の情報を基に判断することが大切です。
CPUの性能を比較する際には、いくつかの重要なスペック(仕様)を理解しておく必要があります。これらの数値が、実際のパソコンの動作速度や快適さに直結するため、型番やブランド名だけでなく、具体的なスペックの違いに目を向けることがパソコン選びを成功させる鍵となります。
主要なスペック項目は以下の通りです。
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コア数とスレッド数: コアはCPU内で実際に処理を行う頭脳の部分であり、コア数が多いほど複数の作業を同時に処理する能力(マルチタスク性能)が高くなります。スレッド数は、OSが認識する論理的なコアの数を示し、一般的にスレッド数が多いほど効率的に処理を行えます。「4コア/8スレッド」のように表記され、動画編集や多くのタブを開いてのブラウジングなど、並行作業が多い用途ではこの数値が大きい方が有利です。
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クロック周波数(GHz): 1秒間にCPUが処理できる命令の回数を示す数値で、単位はGHz(ギガヘルツ)で表されます。この数値が高いほど、個々の処理速度が速くなります。特に、一つの作業を集中して行うシングルタスク性能に影響し、ゲームのフレームレートなどに関わってきます。ただし、コア数や後述するキャッシュメモリなど他の要素も絡むため、クロック周波数だけで性能の全てが決まるわけではありません。
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キャッシュメモリ: CPU内部にある非常に高速なメモリのことです。CPUが頻繁に使うデータを一時的に保管しておく場所で、容量が大きいほどメインメモリへのアクセス回数が減り、処理速度の向上に貢献します。一般的に、高性能なCPUほど大容量のキャッシュメモリを搭載しています。
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内蔵GPU(グラフィックス): CPUに内蔵されている映像処理機能のことです。グラフィックボード(dGPU)を搭載していないノートパソコンでは、この内蔵GPUの性能が画面表示や動画再生、軽いゲームの快適さを左右します。Intelは「Intel Iris Xe Graphics」、AMDは「AMD Radeon Graphics」といった名称で知られ、近年ではどちらも性能が向上しており、一部の軽いゲームならプレイ可能なレベルになっています。
これらのスペックを総合的に見ることで、CPUのおおよその性能を把握できます。例えば、同じCore i5でも世代やモデルによってコア数やクロック周波数が異なるため、詳細なスペックの確認が不可欠です。
スペック項目 | Intel Coreシリーズの特徴 | AMD Ryzenシリーズの特徴 | 重視すべき用途 |
コア/スレッド数 | 最新モデルではPコアとEコアのハイブリッド構成で効率化 | 同価格帯でコア数が多い傾向にあり、マルチタスクに強い | 動画編集、ライブ配信、プログラミング |
クロック周波数 | 高いシングルコア性能を持つモデルが多く、ブースト性能に優れる | ベースクロックとブーストクロックのバランスが良い | ゲーム、オフィスソフト、Webブラウジング |
内蔵GPU | Iris Xe Graphicsはビジネス用途や軽作業で十分な性能 | Radeon Graphicsは比較的グラフィック性能が高い傾向 | 軽いゲーム、動画視聴、写真編集 |
その他 | Thunderbolt規格に標準対応するモデルが多い | 省電力性能に優れたモデルも多く、バッテリー持続時間に貢献 | 高速な外部機器接続、外出先での利用 |
Ryzen 7とCore i7どっちがいいか用途別に比較
Ryzen 7とCore i7は、どちらも各メーカーのハイエンドモデルに位置づけられる高性能CPUであり、ノートパソコン選びで特に悩むポイントの一つです。どちらも高い処理能力を持ちますが、その特性には違いがあり、ユーザーの主な用途によって最適な選択は異なります。
クリエイティブ作業(動画編集・画像処理)を重視する場合
動画編集や高解像度の画像処理、3Dレンダリングといったクリエイティブな作業では、多くのコアとスレッドを効率的に使えるAMD Ryzen 7が優位に立つ場面が多いと考えられます。これらの作業は、複数の処理を並行して行うため、マルチコア性能の高さが直接的に作業時間の短縮につながるからです。4K動画のエンコード(書き出し)や、複数のエフェクトを重ねたプレビュー再生などで、その恩恵を感じることができるでしょう。
ただし、Intel Core i7も最新世代ではPコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)を組み合わせたハイブリッド・アーキテクチャを採用しており、マルチタスク性能を大幅に向上させています。また、Adobe社のソフトウェアなど一部のアプリケーションでは、Intelの特定の技術(Quick Sync Videoなど)に最適化されている場合があり、特定の作業ではCore i7の方が高速なケースも見られます。
PCゲームを快適にプレイしたい場合
PCゲームのパフォーマンスは、タイトルによってCPUのシングルコア性能を重視するか、マルチコア性能を重視するかが異なります。一般的に、フレームレート(fps)を高く維持することに重点を置く競技性の高いFPSゲームなどでは、シングルコア性能に優れるIntel Core i7が有利な傾向にあります。一方で、オープンワールドゲームやシミュレーションゲームのように、多くのNPCや物理演算を同時に処理する必要があるタイトルでは、マルチコア性能の高いRyzen 7が性能を発揮する場面もあります。
また、ゲーム性能はCPUだけでなく、グラフィックボード(GPU)の性能に大きく依存します。そのため、CPUの性能差よりも、搭載されているGPUのグレードを優先して選ぶ方が、結果的に満足度の高いゲーム体験につながることも少なくありません。
ビジネスや一般的な用途での比較
プレゼン資料の作成、データ分析、Web会議、複数のオフィスソフトを同時に利用するようなビジネスシーンでは、Ryzen 7とCore i7のどちらを選んでも、性能不足を感じることはほとんどないでしょう。どちらも非常に高いパフォーマンスを持っているため、オーバースペック気味とさえ言えます。
このレベルのCPUを選ぶ場合、むしろ省電力性能やバッテリー持続時間、あるいはThunderbolt 4のような高速なデータ転送ポートの有無といった、CPU以外の付加価値で比較検討する方が合理的かもしれません。IntelプラットフォームはThunderbolt 4の搭載が一般的である一方、AMDプラットフォームのノートパソコンは省電力性に優れたモデルが見られることがあります。
Ryzen 5とCore i5どっちがいいか価格で比較
Ryzen 5とCore i5は、性能と価格のバランスに優れたミドルレンジのCPUとして、最も人気のある選択肢です。多くのノートパソコンに搭載されており、ビジネスからプライベート、軽いクリエイティブ作業まで幅広い用途に対応できます。このクラスのCPUを選ぶ際は、純粋な性能差だけでなく、パソコン全体の価格、つまりコストパフォーマンスが重要な判断基準となります。
一般的に、AMD Ryzen 5を搭載したノートパソコンは、同程度の性能を持つIntel Core i5搭載モデルと比較して、価格がやや抑えられている傾向にあります。これはAMDの戦略的な価格設定によるもので、限られた予算内で可能な限り高い性能を手に入れたいユーザーにとっては大きなメリットです。特にマルチコア性能においては、同じ価格帯でもRyzen 5の方がコア数やスレッド数で上回ることが多く、複数のアプリケーションを同時に使うような作業で快適さを感じやすいでしょう。
一方で、Intel Core i5搭載モデルは、市場での流通量が非常に多く、多種多様なメーカーから豊富なラインナップが提供されている点が強みです。選択肢が多いため、デザインや重量、ディスプレイの品質、キーボードの打鍵感といった、CPU以外の要素にこだわって選びやすいという利点があります。また、企業向けのモデルなどでは、Intelプラットフォームが指定されているケースも少なくないため、法人での購入を検討している場合はCore i5が標準的な選択となることが多いです。
価格で比較する場合、単にCPUのグレードだけで判断するのではなく、メモリ容量やストレージの種類(SSD/HDD)と容量、搭載されているディスプレイの品質といった、パソコン全体の構成を必ず確認してください。例えば、Ryzen 5搭載で価格が安いモデルでも、メモリが8GBしかない場合、Core i5搭載でメモリが16GBのモデルの方が実際の作業は快適になる可能性があります。
要するに、パソコン本体の価格を重視し、優れたマルチタスク性能を求めるならRyzen 5は非常に魅力的な選択肢です。対して、豊富な選択肢の中から自分に合った一台をじっくり選びたい場合や、特定のソフトウェアとの相性、企業での利用などを考慮するなら、Core i5が堅実な選択と言えるでしょう。
大学生におすすめなのはどちらのCPUか
大学生がノートパソコンを選ぶ際、CPUの選択は非常に重要です。レポート作成やオンライン授業、プレゼン準備といった基本的な学業用途から、プログラミング、デザイン、動画編集、さらにはサークル活動や趣味での利用まで、その用途は多岐にわたるからです。ここでは、大学生の視点からRyzenとIntelのどちらがおすすめかを考察します。
文系学生や一般的な用途が中心の場合
Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)でのレポート作成、Webでの情報収集、Zoomなどを使ったオンライン授業の受講が主な用途であれば、Intel Core i5またはAMD Ryzen 5クラスのCPUで十分すぎるほどの性能があります。この場合、CPUの性能差よりも、むしろパソコン本体の軽さやバッテリー持続時間、キーボードの打ちやすさといった、携帯性や使い勝手を優先して選ぶ方が満足度は高くなります。
Ryzen 5搭載モデルはコストパフォーマンスに優れるものが多く、予算を抑えつつ快適な性能のPCを手に入れたい学生には魅力的です。一方、Core i5搭載モデルは製品数が豊富で、デザインやブランドにこだわって選びたい学生に適しています。どちらを選んでも学業に支障が出ることはまず考えられません。
理系学生や専門的な用途が想定される場合
プログラミングや統計解析、CAD、デザインソフトの使用など、より高い処理能力が求められる理系分野の学生やクリエイティブ系の学生には、CPU選びがさらに重要になります。
複雑なコードのコンパイルや大規模なデータセットの処理、シミュレーションといった作業では、マルチコア性能が効率に直結するため、AMD Ryzen 7が優れた選択肢となります。多くのコアを活かして、処理時間を短縮できる可能性があります。
一方で、使用する専門ソフトウェアが特定のCPUに最適化されている場合もあります。研究室や学科で推奨されているソフトウェアがある場合は、その動作環境を確認し、Intel製CPUが推奨されていればCore i7を選ぶのが無難です。また、最新のAI関連の研究などに取り組む場合は、CPUに内蔵されたNPU(AI処理エンジン)の性能も比較対象になり得るでしょう。
結論として
一般的な文系学生であれば、Ryzen 5かCore i5を搭載したモデルの中から、予算やデザイン、携帯性で選ぶのが合理的です。コストを重視するならRyzen 5、選択肢の多さを重視するならCore i5が良いでしょう。
専門的な処理を行う理系学生やクリエイティブ系の学生は、自身の専門分野で求められる処理の種類を考慮する必要があります。マルチタスク性能や並列処理が重要ならRyzen 7、特定のソフトとの互換性や安定性を最優先するならCore i7、という視点で選ぶことが推奨されます。最終的には、大学の推奨スペックなども参考に判断するのが最も確実な方法です。
CPUの世代による性能差にも注意が必要
ノートパソコンを選ぶ際、「Core i7」や「Ryzen 5」といったCPUのブランド名だけで性能を判断するのは非常に危険です。同じブランド名でも、世代が異なると性能が大きく変わることがあるため、世代の確認は必須のチェック項目と言えます。
CPUの世代は、一般的に型番の数字で示されます。例えば、Intelの場合、「Core i7-13700H」の「13」が第13世代を意味し、「Core i7-12700H」の「12」は第12世代を表します。同様に、AMDのRyzenも型番から世代を読み取ることができますが、命名規則がやや複雑なため注意が必要です。
新しい世代のCPUは、古い世代のものに比べて、主に以下の点で改良されています。
- 製造プロセスの微細化: より細かい回路でCPUを製造できるようになり、同じ消費電力でもより高い性能を発揮したり、同じ性能ならより少ない消費電力で動作したりします。これはノートパソコンのバッテリー持続時間に直接影響します。
- アーキテクチャの改善: CPU内部の設計そのものが改良され、処理効率が向上します。IntelのPコア+Eコアのようなハイブリッド構成や、AMDの3D V-Cache技術などがこれにあたります。
- 新機能の追加: 新しいメモリ規格(DDR5など)や、より高速なデータ転送規格(PCI Express 5.0など)、AI処理を専門に行うNPUの搭載など、新しい技術への対応が進みます。
この世代による性能差は非常に大きく、場合によっては「1世代前のCore i7よりも、最新世代のCore i5の方が高性能」といった逆転現象も起こり得ます。例えば、マルチコア性能においては、コアの構成が大きく変わったIntelの第12世代Core i5は、第11世代のCore i7を上回る性能を発揮するケースがありました。
したがって、ノートパソコンを比較検討する際には、必ずCPUの世代まで確認し、できるだけ新しい世代のCPUを搭載したモデルを選ぶことが、長期的に見て満足度の高い選択につながります。型落ちのモデルが安価に販売されていることもありますが、数世代前のCPUだと、最新のOSやソフトウェアが要求する性能を満たせなくなる可能性も考慮すべきです。特に理由がない限り、最新世代、あるいは1世代前のモデルの中から選ぶのが賢明な判断と考えられます。
ryzenとintel、ノートパソコンはどっちを選ぶべきか
- ノートパソコンのRyzenのデメリットとは?
- Ryzenで困ることと、やめとけと言われる理由
- ryzenで動かないソフトの一覧と互換性
- CPU以外のパーツとのバランスも重要
- まとめ:ryzenとintelどっちのノートパソコンを選ぶか
ノートパソコンのRyzenのデメリットとは?
AMDのRyzenシリーズは、優れたコストパフォーマンスと高いマルチコア性能で人気を集めていますが、一方でいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを理解しておくことは、購入後の後悔を避けるために不可欠です。
ソフトウェアやドライバの最適化
過去には、Intelに比べて市場シェアが低かったことから、一部のソフトウェアやゲームでRyzenに最適化されておらず、性能を最大限に引き出せない、あるいは稀に不安定な動作をすることがある、と言われていました。しかし、近年Ryzenのシェアは大幅に拡大し、主要なソフトウェアメーカーやゲーム開発会社はRyzen環境での動作検証を十分に行っています。そのため、2024年現在、一般的な用途でこの問題に直面することはほぼありません。ただし、非常にニッチな業務用ソフトや、古い開発環境などを使用する予定がある場合は、念のためソフトウェア提供元の公式サイトで動作環境を確認しておくとより安心です。
内蔵GPUの性能
Ryzen CPUに内蔵されている「Radeon Graphics」は、Intelの「Iris Xe Graphics」と比較して、モデルによってはグラフィック性能が高い傾向にあります。しかし、これはあくまでCPU内蔵グラフィックスの中での比較です。本格的な3Dゲームや高度な映像編集を行うには、いずれの内蔵GPUでも力不足であり、別途グラフィックボード(dGPU)を搭載したモデルが必要になります。Ryzenだからといって、必ずしもグラフィック性能が高いと過信しないよう注意が必要です。
Thunderboltへの対応
ThunderboltはIntelが主導して開発した高速データ転送規格であり、1本のケーブルで映像出力、データ転送、給電を同時に行える利便性の高さが特徴です。以前はRyzen搭載ノートパソコンでThunderboltに対応するモデルは非常に稀でしたが、最近ではUSB4規格の普及により状況が変わりつつあります。USB4はThunderboltと互換性があるため、USB4ポートを搭載したRyzenノートパソコンであれば、Thunderbolt対応のドッキングステーションや外部ストレージなどを利用できます。ただし、すべてのUSB4ポートがThunderboltの全機能に対応しているわけではないため、購入時にはポートの詳細な仕様を確認することが大切です。
これらのデメリットは、かつてほど大きな問題ではなくなってきていますが、自身の使い方や接続したい周辺機器によっては、依然として考慮すべき点と言えるでしょう。
Ryzenで困ることと、やめとけと言われる理由
インターネット上では、時折「Ryzenはやめとけ」といった意見や、Ryzenを使用して困ったという経験談が見受けられます。これらの声が上がる背景には、いくつかの歴史的経緯や誤解、そして一部の事実に基づいた注意点が存在します。
過去の互換性問題のイメージ
Ryzenが登場した初期(2017年頃)には、新しいアーキテクチャであったため、一部のマザーボードやメモリとの相性問題、あるいはソフトウェアの最適化不足による性能低下などが実際に存在しました。長年Intelが市場を独占していたため、多くのソフトウェアがIntel製CPUを基準に作られていたことが原因です。この初期のイメージが強く残り、「Ryzenは不安定」「相性問題が怖い」といった評判につながっている面があります。しかし、前述の通り、現在のRyzenはそのような問題をほぼ克服しており、一般的な利用で互換性に困ることは極めて稀になっています。
自作PC市場でのトラブル
「Ryzenはやめとけ」という声の中には、自作PCユーザーからのものが含まれていることがあります。例えば、CPUのピンが折れやすい(AM4ソケット以前のPGA方式)、BIOSアップデートが必須な場合がある、といった自作ならではのトラブルです。これらは、完成品のノートパソコンを購入するユーザーには直接関係のない問題ですが、情報が混同されて伝わっている可能性があります。
特定のニッチな用途での課題
ごく一部の専門的なソフトウェアや、非常に古いゲームなどでは、依然としてIntel製CPUに最適化されているものが存在する可能性は否定できません。そのような特定の環境で利用する場合、予期せぬトラブルが発生したり、期待した性能が出なかったりすることが「困ること」として語られる場合があります。もし、仕事や研究で絶対に使わなければならない特殊なソフトウェアがあるなら、そのソフトウェアの公式サイトで推奨動作環境を確認することが最も確実な対策となります。
要するに、「Ryzenはやめとけ」という意見の多くは、過去のイメージや、ノートパソコン利用者には直接関係のない話に基づいていることが多いです。現在の成熟したRyzenプラットフォームにおいて、一般的なユーザーが深刻な問題に直面する可能性は非常に低いと考えられます。過度に不安視する必要はありませんが、自身の特殊な用途を考慮して慎重に判断する姿勢は大切です。
ryzenで動かないソフトの一覧と互換性
「RyzenのCPUを搭載したノートパソコンを購入したいけれど、使いたいソフトが動かなかったらどうしよう」という不安を抱えている方もいるかもしれません。結論から言うと、2024年現在、一般的なソフトウェアで「Ryzenだから動かない」というものは、ほぼ存在しないと考えて問題ありません。
かつてRyzenが登場した当初は、Intel製CPUとは異なるアーキテクチャを採用していたため、一部のソフトウェアで最適化が進んでおらず、不具合が発生するケースが報告されていました。しかし、Ryzenシリーズが市場に登場してから長い年月が経過し、そのシェアも大幅に拡大しました。現在では、Microsoft Office製品(Word, Excel, PowerPoint)はもちろん、Adobe Creative Cloud(Photoshop, Premiere Proなど)といったクリエイター向けソフト、主要なWebブラウザ、セキュリティソフトなど、私たちが普段利用するほとんどのソフトウェアは、Ryzen環境での動作を公式にサポートしています。
ゲームに関しても同様で、PlayStation 5やXbox Series X/Sといった主要な家庭用ゲーム機にもAMD製のCPUが採用されていることから、多くのゲーム開発会社はRyzenアーキテクチャに精通しています。そのため、PCゲームにおいても互換性の問題が発生することは非常に稀です。
では、なぜ「動かないソフト」という懸念が今も語られるのでしょうか。これにはいくつかの理由が考えられます。
- ごく一部の古いソフトウェア: 開発が終了してから何年も経っているような非常に古いソフトウェアや、特定の業務に特化したニッチなアプリケーションの中には、Ryzenのような比較的新しいCPU環境を想定しておらず、正常に動作しない可能性がゼロではありません。
- ドライバの問題: ソフトウェア本体ではなく、周辺機器のドライバなどが古い場合に、OSやCPUとの組み合わせで問題が発生することがあります。これはRyzenに限った話ではありません。
- インターネット上の古い情報: 過去に発生した互換性問題に関する情報が、今もインターネット上に残っており、それを見た人が現在の状況だと誤解してしまうケースです。
もし、どうしても使用したい特殊な業務用ソフトや開発ツールなどがある場合は、購入前にそのソフトウェアの公式サイトでシステム要件(動作環境)を確認することをおすすめします。システム要件に「Intel Core i5以上」といった形で特定のCPU名が記載されていても、同等以上の性能を持つRyzenであれば問題なく動作することがほとんどですが、確実を期すためには提供元に問い合わせるのが最も安全です。しかし、一般的な学生や社会人の方が利用するソフトウェアの範囲であれば、互換性の心配は不要と言えるでしょう。
CPU以外のパーツとのバランスも重要
ノートパソコンの性能は、CPUだけで決まるわけではありません。たとえ最高性能のCPUを搭載していても、他のパーツの性能が低いと、CPUの能力を最大限に引き出すことができず、全体として快適な動作は望めません。この「パーツのバランス」こそが、後悔しないノートパソコン選びの非常に重要なポイントです。
特に注目すべきパーツは「メモリ」と「ストレージ」です。
メインメモリ(RAM)
メモリは、CPUが作業を行うための「机の広さ」に例えられます。机が広ければ広いほど、多くの書類(データ)を一度に広げて作業できるため、効率が上がります。具体的には、複数のアプリケーションを同時に起動したり、Webブラウザで多くのタブを開いたりする際の快適さに直結します。
どんなに高性能なCPUでも、メモリ容量が不足していると、処理が遅くなったり、パソコン全体の動作が不安定になったりします。2024年現在の基準では、一般的な用途であっても最低8GBは必要で、快適な利用を目指すなら16GBを推奨します。動画編集や最新のゲームなど、負荷の高い作業を行う場合は、32GB以上を検討すると良いでしょう。高性能なRyzen 7やCore i7を選ぶのであれば、メモリも16GB以上を搭載したモデルを選ぶことで、CPUの性能を活かすことができます。
ストレージ
ストレージは、OSやソフトウェア、データファイルを保存しておく「本棚」のようなものです。ストレージには、大きく分けてHDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)の2種類があります。
HDDは安価で大容量というメリットがありますが、データの読み書き速度が遅いというデメリットがあります。一方、SSDはHDDに比べて高価ですが、データの読み書きが圧倒的に高速です。ノートパソコンの起動時間、ソフトウェアの起動速度、ファイルの読み込み時間など、体感速度に最も大きく影響するのがこのストレージです。
現在では、メインストレージにはSSDを搭載していることが必須条件と言っても過言ではありません。高性能なCPUを搭載していても、ストレージがHDDでは、あらゆる場面で待たされることになり、CPUの性能が宝の持ち腐れとなってしまいます。容量は、少なくとも256GB、できれば512GB以上あると安心して利用できます。
このように、CPUの性能を活かすためには、メモリとストレージにも十分なスペックが求められます。CPUのブランドやグレードだけに注目するのではなく、必ずメモリ容量とストレージの種類・容量を確認し、全体のバランスが取れたノートパソコンを選ぶことが、快適なPCライフを送るための鍵となります。
まとめ:ryzenとintelどっちのノートパソコンを選ぶか
この記事では、ノートパソコン選びにおけるRyzenとIntelのCPU比較について、様々な角度から解説してきました。最終的にどちらを選ぶべきか、重要なポイントを以下にまとめます。
- ノートパソコン選びでCPUは性能を決定づける中心的なパーツ
- Intelはシングルコア性能と長年の実績による安定性が強み
- AMD Ryzenはマルチコア性能とコストパフォーマンスに優れる
- どちらのCPUも世代が新しくなるほど性能は飛躍的に向上する
- Ryzen 7とCore i7は動画編集やゲームなどの高負荷作業向けのハイエンドモデル
- マルチタスクやクリエイティブ作業ではマルチコア性能に優れるRyzen 7が有利な傾向
- 特定のゲームやソフトではシングルコア性能が高いCore i7が優位な場合もある
- Ryzen 5とCore i5は性能と価格のバランスが良いミドルレンジ
- 一般的な用途ならRyzen 5やCore i5で十分な性能を持つ
- コストを重視するならRyzen 5、選択肢の豊富さならCore i5が魅力的
- 大学生は用途に応じて選ぶことが大切で文系ならミドルレンジで十分
- 理系や専門的なソフトを使うならハイエンドCPUや互換性の確認が必要
- 過去に言われたRyzenのデメリットや互換性の問題は現在ほぼ解消されている
- 一般的なソフトウェアがRyzenで動かないという心配は基本的に不要
- CPUの性能を最大限に活かすにはメモリ16GB以上、ストレージSSDが推奨される
- 最終的には自身の主な用途と予算、そしてデザインなどの好みを含めて総合的に判断することが後悔しない選び方につながる